国道22号の自転車道で通行量調査


令和3年4月に開通した国道22号線の自転車道、じっさいどれぐらいの人が利用しているのだろう、と気になったので、通勤時間帯を狙って利用状況を調査することにしました。

日付は4月26日月曜日、時間は7:30~8:30。あいにく前週の火曜日から愛知県まん延防止等重点措置が適用されており、道路幅のわりに通行量は少なめだったため、さほど自転車道のありがたみを感じない状況といえるかもしれません。調査地点は区間の東端にある幅下歩道橋付近。

北側車線は目視でメモを取り、南側車線は持参したビデオカメラで録画して帰宅後に確認しました。車種についても可能な範囲で記録したのですが、カメラを置くとき、なるべく自転車に近くしようと自転車道の真上に設置してしまい、電動アシストかどうかの判定がきわめて難しくなってしまいました。

まずは総数。

1時間で自転車306台、歩行者275人が通りました。1分間に5台ですが、もちろん12秒間隔で走っているわけではなく、信号で滞留した2~4台ほどがまとまって来ることが多かったです。ちなみに平成25年の調査によれば、浅間町東の12時間通行量が歩行者2,843人、自転車2,463台でしたので、やはり「まん防」効果で減っているようです。そんな感じで歩道も自転車道もスカスカだったのですが、自転車道の利用率はこのようになっています。

約85%。開通してから2週間あまり、そして歩行者がほとんどおらず歩道を走らない理由がない、ということで自転車道としては低めですが、それでも桜通の自転車レーンでは突破できなかった80%の壁をやすやすと超えてきました。これを行き先(東西)と上り下り車線に分けてみるとこうなります。

市中心部に向かう東行が多いのは当然として、市の「外側」である北側を走る人のほうが多いのは意外でした。なんとなく「左側通行」のほうが多いのでは、と予想していたのですが、西行の利用者にも、右手側となる北側車線のほうが人気なんですね。

性別ごと、車種ごとでも分けて集計してみました。

「ママチャリ」には電動アシストや折りたたみ自転車が、「スポーツ自転車」にはロードバイクやクロスバイク、MTBが含まれます。女性のほうが歩道を走る率が高いのではないかと予想したのですが、実際には男女でほぼ同じ。それどころかママチャリユーザーは男性のほうが歩道を使う率が高いという結果になりました。

女性の利用者が少ないのが気がかりだったのですが、ふと思い立って名古屋市の有業者数を調べてみたところ、「仕事が主な者」つまり学業や家事の片手間にやっているのではない人の男女比が66万人対34万人で、自転車利用者の男女比とほぼ一致。ろくなインフラもないくせに他国で例を見ないほど自転車利用者の女性比率が高い日本ですが、名古屋もまた例外ではなかったようです。

ちなみにヘルメット着用の有無も確認したのですが、306人中13人、比率でいうと4%という結果になりました。これもどういうパラメータによって上下するのか気になるところではあります。

自転車に乗って学校や職場へ急ぐ人たちを歩道橋から眺めていて思ったのですが、とにかくスピードが速いです。ふだん歩道を走る人たちを見て「おーそんなに急いで大丈夫か」などと思っていたのですが、それよりも明らかにアベレージが高い。もちろん登校・出勤時ですから急いでいるのは間違いないのですが、それにしたってなかなか普段見ないスピードだったので、やはり自転車のポテンシャルは正しいインフラがあってこそ100%発揮されるのだなあ、という思いを新たにしました。

新型コロナウイルス感染症の第5波が収束して人出が戻っているようなのでもう一度調査してみたいところではあるのですが、いつになるかわからないのでとりあえず半年前の結果ですがこうして公開しておきます。なにかの参考になりましたら幸いです。

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