名古屋市議会で自転車活用推進計画が議題に その2

前回の続きです。成田市議の質問は話題があちこちに飛んでいて若干わかりにくいのですが、いくつかトピックを切り出してみました。

成田たかゆき市議(自民、天白区選出)「安全な歩行空間を確保する、自転車が歩道を通行する者の妨げになってはいけないという点が大事。この点について地域や団体からの要望・要請があるのか」

路政部自転車利用課長「たとえば歩道にある身体障害者用の点字ブロックに放置自転車がかぶせてあるので何とかしてほしいという要望を高岳駅でいただいている。自転車駐車場が有料化されていないこともあり、国道19号と41号が交差する交差点を中心に放置自転車が多くなっている。国土交通省のほうで歩道に自転車ラックを整備してもらったが、そこでは収まらず、後ろに2列で自転車が駐車されている」

成田委員「国道41号と19号周辺の歩道空間、歩行空間については国土交通省の資産であり、国交省に運用・維持管理の務めがあるのか」

路政部自転車利用課長「放置自転車の障害を解消するというのは道路管理者たる国土交通省の務めである。ただし、例えば放置禁止区域等の設定は条例で設定しなければいけないので名古屋市でしかできない」

成田委員「なぜ急に放置禁止区域の話を?」

路政部自転車利用課長「国道については道路法上は即時撤去はできない。長期間放置されている自転車については国土交通省が撤去しているが、毎日通勤で高岳駅を利用するのに駐車した自転車は国のほうでも撤去できない。そのため放置状態を解消するには名古屋市による放置禁止区域の設定が必要になると考えている」

成田委員「41号の高架下の自転車は名古屋市の管轄なのだろう。ならば41号の歩道沿いにも同じように名古屋市が駐車場を整備すればよいのでは。駐輪場を国土交通省に作ってもらっただけでは名古屋市として放置しすぎ。国とはこれまで具体的にどのようなやりとりを?」

路政部自転車利用課長「国が平成26年から平成27年に自転車駐車場を整備した。整備後、放置自転車については国と一緒に注意札を貼って、ここは駐輪しないでくださいと国道41号の高架下に誘導するような啓発活動を行った」

成田委員「効果はあったのか」

路政部自転車利用課長「あまり変わっていないというのが現状」

成田委員「それをさらっと言っちゃ駄目だろう」

なんでしょうね、高架下の自転車駐車場って「とにかく既存の、すでに使われている空間を自転車には分け与えたくない」という強い意志を感じさせます。高架下なら誰も使わないから使ってかまわんぞ、みたいな。そこが使ってもらえないとなるとじゃあ放置禁止区域だ強制撤去だというのは、それはまあ成田市議でなくとも抗議したくなりますよね。

成田委員「この前、栄のスカイル前でシルバー人材センターの方がなにかやっていた。見ていると、広小路通側に三角のコーンが置いてあって自転車放置禁止区域の紙が貼ってあるのだが、そこに置かれた自転車を一生懸命スカイル側に移動させている。あれは何なのか。寒い中シルバー人材センターの年配の方がひとりで。仕事だから仕方ないにしても見ていてどうかと思った」

路政部自転車利用課長「そのシルバー人材センターの方は、栄の歩行者や自転車が集中する箇所の放置自転車を整理するという目的で、自転車利用課のほうで業務を委託している」

成田委員「整理というのは何をするのか。見ている限りでは注意とか指導とかそういうことは求められていないようだった。つまり置かれてしまった自転車を、利用者がいなくなった後に一生懸命、10メートルぐらい引きずってビル側に置いていた。それが仕事なのか」

路政部自転車利用課長「注意指導と整理ということで行っていただいている」

成田委員「そういうことをやっているように見受けられない。それはなかなか言えないだろうし、トラブルを起こしたくないだろうから現実的には無理だろう。非常に見ていて何かむなしい。栄のあの絵はないと思う」

ちょっと面白かった…というと不謹慎かもしれませんが、いかにもお役所仕事的なひとコマだったので話題をまとめておきました。シェアサイクルについても一言。

成田委員「新たな公共交通政策の担い手としてシェアサイクルには大変期待をしている。なぜならば、名古屋の鉄道事業、地下鉄と名鉄、一部近鉄、JRとあるが、東京、横浜、大阪のように民間の鉄道が張り巡らされているわけではない。そういった中で500メーターメッシュでバス停を置いて、バスによる市民の足をつくってきているが、やはり横の流れ、縦の流れを補わなければいけないところが様々。そうしたところを補ってくれる政策だと思う」

最後に委員長のまとめをそのまま引用です。

小川としゆき委員長(民主、守山区選出)「以上で本件を終了いたしますが、一言言わせていただきたいんですけど、先ほど、放置自転車の台数が計画上、変わったというときに、ワーストワンが大きく報道されたことによってという発言がありましたけれども、報道されたからといって計画が変わるんじゃなくて、何年も何十年もやっぱり委員会で放置自転車を指摘してきたことをすごく軽んじたような、ああいうことはよくないということだけは指摘しておきます。報道だけで変わるぐらいだったら、もう報道でやればいいし、委員会の意味というのがなくなっちゃう。そこだけはよく局内でも意識しながらやってください。せっかくこうやって時間を使って、僕らも市民の代表者として来ているわけだから、よろしくお願いいたします」

はい。ところでみなさまお気づきでしょうが、走行空間について具体的な話はいっさい出ませんでした。しんどい。

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