畑尻宣長市議が岡崎市議会定例会で自転車活用推進計画と交通安全計画について質問

令和4年3月17日に自転車活用推進計画を策定した岡崎市ですが、それに先立ち、岡崎市議会令和4年3月定例会にて、議員の畑尻宣長氏(公明)が代表質問の中で自転車活用推進計画と交通安全計画について質問しておられます。もう少ししたら議事録が検索できるようになるかと思いますが、それまでのつなぎとして、動画から文字起こししたものを掲載いたします。

畑尻議員『自転車活用推進計画についてうかがいます。自転車は身近な移動手段として多くの方に利用されております。またゼロカーボンシティの実現や健康寿命の延伸、特にコロナ禍となり、新しい生活様式において自転車が推奨されるなど、自転車利用のニーズは高まってきております。 そのような状況の中で作成された自転車活用推進計画の、目指すべき方向性をお示しください』

土木建設部長『自転車は日常生活の中の身近な移動手段として、多くの方に利用されております。また健康意識の高まりから、近年レジャーやスポーツなど自転車は様々な場面で幅広い世代の方に利用されるようになり、コロナ禍も相まってこれらの傾向は年々高まってきております。こうした背景もあり、安全な自転車の利用環境に向けた改善の取り組みとして、平成29年5月に自転車活用推進法が施行され、その中では各地域の実情に応じた自転車活用推進計画の策定が義務付けをされております。いっぽう本市では中心市街地の回遊や観光促進を目的にサイクルシェアなどのシステムを導入するとともに、中山間部では地理的条件を利用して、サイクルツーリズムのフィールドとしての活用など自転車利用の増進を図ってきたところでございます。これらの状況を踏まえまして、本市の特徴を生かした独自の自転車活用推進計画の策定を現在進めているところでございます。内容としましては、「自転車で新しいくらしを育むまち おかざき」を基本方針に、都市環境、健康、観光、安全の四つの視点から、目標とそれぞれの施策を設定することとしております。
具体的には、一つ目の都市環境では安全で快適な自転車通行空間づくりを目標に、自転車利用者が安全で快適に走行できる整備とすることで、交通事故の減少を図り、気軽に利用しやすい環境づくりを行います。二つ目の健康では、自転車を活用した健康意識の向上を目標に、サイクルスポーツのイベントを企画することで多くの方の参加を促し、自転車の楽しさに触れ、手軽なスポーツとしてのサイクリングの普及や、メンタルヘルスの改善が期待をされます自転車通勤を推進するなど、市民の皆さんの健康増進を果たしてまいります。三つ目の観光では、市民、来訪者の観光における自転車利用の促進を目標に、サイクルシェアの利用拡大や自転車周遊マップの作成により多くの皆さんに自転車を利活用しやすい環境づくりを目指します。最後に安全の視点として、歩行者自転車自動車の安全安心な共存を目標に、自転車の保険加入やヘルメットの着用など、安全利用の周知と交通ルールやマナーの徹底を図ってまいります。
これら四つの目標達成に向け関係部局、関連団体などがそれぞれの役割のもとで各種の施策を展開をし、自転車活用の推進を図ることで、環境負荷の低減や渋滞の解消、災害時の移動手段、さらには市民の皆さんの健康増進など様々な課題に対応してまいりたいと考えております。また同時にカーボンニュートラルやSDGsといった現代の課題に対応する施策の一役を担い、第7次岡崎市総合計画で掲げる「持続可能な循環型の都市づくり」の実現にも貢献してまいりたいと考えております』

畑尻議員『「(4) 多様な主体が協働・活躍できる社会づくり」「ア 交通安全」についてうかがってまいります。交通安全計画が、人優先の交通安全思想のもと、これまで10次にわたる取り組みにより、交通事故の減少にある一定の成果を上げてきてはいるものの、依然として多くの方があらたな交通事故被害者となり、近年においては未就学児をはじめとする子どもが関係する事故や、高齢運転者による事故が後を絶たない状況であります。交通安全を確保するための先端技術の積極的な導入など、より一層の交通安全対策が求められてまいります。そのような状況の中で第11次交通安全計画が策定されました。まずは10次からの変更点についてお聞かせください』

市民安全部長『まず第11次交通安全計画における年間目標といたしまして、市内の年間交通事故死者数を第10次計画の8人以下から6人以下にすること、また新たに重傷者数を25人以下にするという目標を加えまして、重傷者が発生する事故を減らすことで死者数の減少につなげていくこととしており ます。次に主な対策といたしましては、愛知県の「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の施行に伴いまして、自転車の安全教育の促進やヘルメットの着用、及び保険への加入の周知徹底を図ること、さらに交通安全教育におけます新型コロナウイルス等の感染症対策といたしまして、対面以外の新たな実施手法の構築を図ることを追加しております。また近年、交通事故による死傷者数が減少する一方で、依然として65歳以上の高齢者の死者数は全体の約5割を占めているということから、高齢者の交通安全対策につきましても、警察や関係機関と連携した対策をしっかりと推進してまいります』

畑尻議員『それでは事故の多い高齢者に対する交通安全確保に向けた取り組みはあるのか、おうかがいをいたします』

市民安全部長『高齢者に対します交通安全対策といたしまして、歩行者や自転車の交通安全教室、シミュレーターを活用した教室を随時行うとともに、自動車学校にご協力いただきまして実際に自動車を運転していただき、自身の運転能力を判断していただくきっかけとなる体験型の交通安全教室の実施を予定しております。またペダルの踏み間違いによります急発進等を抑制いたします後付の安全運転支援装置の購入設置費補助金を継続して実施するなど、高齢者の交通安全意識の高揚と安全な歩行、および自動車の運転スキルを再度確認していただくことで高齢者の事故の減少に努めてまいりたいと考えております』

畑尻議員『交通安全計画における道路交通環境の整備について、7つある項目のうち「1 生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」「2 幹線道路における交通安全対策の推進」は具体的にどのような整備が進められていくのかお聞かせください』

土木建設部長『道路交通環境の整備としましては、生活道路や幹線道路などで高齢者や児童、歩行者、自転車利用者の安全確保を最優先に、地域と一体となった対策を実施をしているところでございます。一つ目の「生活道路における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」といたしましては、生活道路や通学路などで、高齢者や障がいをお持ちの方、児童を含めたすべての方が安心して通行できる道路空間の整備を行っております。具体的には、住宅地などの幅員の狭小な生活道路では、自動車や自転車、歩行者が混在をするため、出会い頭や右左折時の巻き込みなどの事故が多く、これを防ぐには走行速度や進入車両の抑制、安全な歩行者空間の確保など対策が必要となってまいります。その速度抑制の対策としましては、自動車の速度を30キロ以下に規制するゾーン30の指定や、センターラインを消すことで車同士のすれ違いを意識させ、減速を促すなどの対策も行なっております。またこれらは通り抜けによる時間短縮のメリットも少なくなり、進入車両の抑制効果もあるものと考えております。また歩道のない道路や安全性が求められる箇所では、区画線で路側帯を広げるなど、視覚的に人と車を分離させることや、ラバーポールの設置による安全な歩行空間の確保などを行っております。
次に通学路の対策としましては、毎年ご地元や学校、警察、道路管理者など、関係者による定期的な合同点検や対策の改善拡充など、継続的な取り組みを実施をしております。具体的には可能な箇所での歩道の整備や、通学路であることを明示するグリーンライン、速度を減速させるためのラバーポールによる狭窄箇所の設置などを行っております。さらに狭小な通学路では歩行スペースの確保のため、フタのない側溝をフタつきに改良するなど、今議会に計上させていただいております補正からは、新たに国の補助を受けることで通学路の安全確保を今まで以上に積極的に推進してまいります。また高齢者や障がいをお持ちの方への安全確保としましては、駅や公共施設、福祉施設、病院などの周辺を中心に、歩道と車道の段差をなくすバリアフリー化により、誰もが歩きやすい、人に優しい歩行者空間の整備などもあわせて行ってまいります。
ふたつめの幹線道路における交通安全対策の推進としましては、特に事故の発生割合の高い区間や、ビッグデータなどから、急ブレーキの割合が多い箇所などを事故危険箇所として指定をいたしまして、公安委員会と道路管理者が連携をして、集中的な事故抑止対策など実施をしております。具体的には右折帯の整備や信号機の新設、交差点のカラー舗装化などの改良や、信号を歩行者のみが通行できる歩車分離式に変更するなど、それぞれの場所に見合った事故抑止対策に努めております。また適切な機能分担として通過交通の排除と円滑で安全な交通環境を確保するためのバイパスルートの建設なども推進をしております。
最後に交通混雑の著しいJR岡崎駅や名鉄東岡崎など鉄道駅周辺では、人と車を分離するペデストリアンデッキや交通広場などの総合的な整備を行っております。これら生活道路や幹線道路での安全対策を計画的に実施することで、自動車と自転車、さらには未就学児を含めた児童から高齢者までの全ての方が相互に快適に通行できる、事故のない安全安心なまちづくりを目指してまいります』

畑尻議員『さきほど自転車活用推進計画の方向性は確認させていただいたところでありますが、交通安全計画における「自転車利用環境の総合的整備」とはどういうことを目指すのかお聞かせください。またそれに向けた取り組みについてお聞かせください』

市民安全部長『まず自転車利用環境の総合的整理でございますが、自転車の役割と位置づけを明確にしつつ、安全で快適な自転車利用空間の整備方針を定めました「自転車ネットワーク計画」の推進、および利用者のマナーやルールを周知する啓発活動及び放置自転車対策等を総合的に推進いたしまして、安全で快適な自転車利用環境を目指すものでございます。とくにルールやマナーの周知、啓発活動に積極的に取り組むことで自転車利用者を中心に歩行者あるいは自動車ドライバーそれぞれがルールを守り、お互いを理解することが、危険を感じない自転車通行空間の整備につながるものと考えております。啓発活動につきましては特に自転車利用の多い高校生を対象といたしました交通安全教室や、自転車の乗り方について考えていただく自転車安全利用アンケートの実施、そして頭部の損傷は致命傷となる可能性が高いことから、頭部を守るヘルメットの重要性についてしっかりと周知いたしまして、自転車乗車用ヘルメット購入補助制度の活用を推進してまいりたいと考えております』

畑尻議員『それでは、実効性のある自転車通行空間の整備とは具体的にどのようなことを指し示しているのかお聞かせください』

土木建設部長『自転車の通行空間の整備と致しましては、国土交通省と警察庁で定める「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」で車道の規制速度や通行量を目安に大きく分けて三つの手法が示されております。一つ目の自転車道は、時速50キロを超えるなど、速度の比較的速い路線で、歩道や車道と分離した形で自転車専用の通行空間を整備するもの。二つ目の自転車専用通行帯は、自動車の速度は速くないものの通行量の多い路線で車道の外側にカラー舗装や区画線などで自転車専用のレーンを設けるもの。三つめの車道混在型は、時速40キロ以下で交通量の少ない路線に、自転車をデザインしたピクトグラムと矢羽と呼ばれる青色矢印を車道内の左端に表示し、自転車の走行位置と走行方向を示すもの。このような三つの手法となっております。本市ではこのうち三つ目の車道混在型を採用しまして、既存の道路空間を活用して早期に整備をすることで、歩行者と自転車の分離を促してまいります。またこの整備により、自転車は原則車道の左端を車と同じ方向に通行することを全ての道路利用者に意識づけることで、お互いの譲り合いや共存意識など交通マナーの改善を図ってまいりたいと考えております。整備といたしましては、通勤通学や買い物、観光客の皆様が安全で快適に自転車を利用できますよう、学校や鉄道駅、商業・観光施設を結ぶルートを主に選定をしております。現在の状況と致しましては、これまでにQURUWA戦略の天下の道の整備の中で、乙川にかかります桜城橋から籠田公園までの先行整備が完了しております。また今年度は伝馬町線の籠田公園から、東の中町6丁目までの延長約1.2kmを整備をしまして、令和4年度からは国の補助を受けまして、QURUWAエリアをはじめ延長約4.7kmの整備を予定をしております。これらの整備につきましては、国や県の道路管理者とも連携をいたしまして、自動車と歩行者、自転車が共存できる安全で快適な道路空間を創出することで、誰もが住みやすく訪れたくなる街づくりを推進してまいります』

はい、もういいですね。矢羽根を整備して歩行者と自転車との分離を促す、これが岡崎市の基本方針です。うまくいきっこないので、ただでさえ遅れている自転車利用環境整備がさらに数年足踏みすることになります。残念でした。

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